皆さん、山中座の天井やホールをじっくりとご覧になったことはありますか？
これまで”山中温泉の総湯（共同浴場） 菊の湯に併設された観光施設”としか認識がなかった筆者としては、かなり恥ずかしいお話しなのですが、取材してみると、実は山中座の内装は延べ2,000人の山中漆器職人の技術の粋を集めた豪華な館だったのです！
ーそもそも山中座とは
山中温泉旅館協同組合が運営する山中座は山中温泉を散策するにはちょうどよい中心街にあり、優美な曲線からなる屋根が美しい施設です。
以前は、今の男湯の場所に女湯もあったのですが、平成14年11月2日に別棟として女湯（菊の湯）と併設して建てられた山中座。内装は漆塗りの柱や格子戸風の壁面、蒔絵を施した格天井など山中漆器の粋を集めた格調高い造りが特徴です。
プリントではなく、職人の匠の技によるもの。そう思うとじっくりと眺めていたくなります。
このような綺羅びやかな山中塗の内装が施された館内には 、同組合による山中温泉の観光案内窓口があるほか、コインロッカーやお土産などの売店、奥にはホールもあります。
ー早速、花よりだんご…菊の湯アイスキャンディー！
きょろきょろ館内を歩いていると、ある観光パンフレットが目に入りました。
「山中温泉 アイスストリート」と書かれたカラフルなパンフでした。アイスの一世帯あたりの年間消費量が全国一の石川県ではありますが、ここ山中温泉も他聞にもれず個性あふれるアイスが勢揃いしています。
「美肌の湯」といわれる整腸効果が期待できる源泉の成分が入った菊の湯アイスキャンディー。食べないわけにはいきません。
インスタ映えしそうな菊のかたちをしたアイスキャンディーは、菊花入りでリンゴのようなさっぱりした味をしています。何個も食べ歩くならちょうどいいサイズ感♪
ー本題に戻って…ホールもすごかった！
係の方にお聞きすると、取材に伺った時間帯はちょうどホール内の見学が可能とのことでしたので、階段を登って客席の後ろからホールに入ってみました。
ホールでは毎週土曜・日曜と祝祭日には、山中温泉芸妓連らによる山中節の唄や踊りなど、山中伝統の芸能を味わえるだけでなくコンベンションホール（収容人数180名）としても活用されています。
その利用されていない合間には無料で見学できるのが嬉しいですね。
ホール内は先程と同様、漆で磨き上げた欅柱が印象的な格天井。手すりも山中の轆轤技術がうかがえる綺麗な形状をしています。
取材時はステージの緞帳が上がっていて確認できませんでしたが、 緞帳には山中温泉の歴史を描いた「山中温泉縁起絵巻」の入浴場面を266 色の色糸で表現した作品が施されており、舞台を華やかに彩っているそうです。
ー最後に、駐車場について
山中座へ車でお越しの際は、周辺に専用の駐車場や共同の駐車場がありますので是非ご利用いただきたいのですが、シーズン中だと駐車場がどこもいっぱいなことも。
しかし、来春にはきっと少しは解消されますよ！山中座の裏手にあった旧加賀市役所山中支所庁舎（旧山中町役場庁舎）の跡地が来春、駐車場に生まれ変わる予定だそうです。
温泉、民謡、漆器。
山中温泉の３つの魅力を一度に体験できる山中座へぜひお立ち寄りいただきたいです！
加賀商工会議所のマスコットキャラクター商子ちゃんが伝える、
「PLUS ONE！」情報のコーナーです☆
山中座では山中温泉芸妓組合による”山中節 四季の舞”が毎週末、有料で鑑賞することができます。（新型コロナウイルス感染症対策により変更がある場合がございます）
目の肥えた旦那衆を唸らせてきた伝統芸能の数々に触れられる山中の芸妓さんたちの舞いですが、実は加賀商工会議所の新春懇談会でも毎年舞っていただいております。（写真は令和3年度のもの）
このように様々なシーンで活躍している芸妓さんたちですが、最盛期の昭和30年～40年代には200人を超えていたものの時代とともに減少し、HPを拝見すると現在は4名でされていらっしゃるようです。
昨年、山中座の名誉座長である森光子さんの生誕100年記念のご命日には、日本三大民謡の一つで森さんがレコード吹込みもした無形民俗文化財「山中節」の伝統を継承し、技術の向上と後継者育成に努めている功績が評価され、奨励賞を受賞された山中温泉芸妓連。
これからも伝承されていくことを願います。
ー取材メモー
山中座
住所 石川県加賀市山中温泉薬師町ム1番地
TEL 0761-78-5523
営業時間 8:30～22:00（コロナ感染状況によって変更があることがあります）
定休／無休
山中座★☆HPはコチラ☆★