職人のまち加賀

人/山中漆器/田中 瑛子 氏 にフォーカス!

分業制であることが多い伝統工芸山中漆器の世界において、木地挽きから漆塗りまで一貫して手掛け、国内外でもファンが多い女性アーティスト、田中 瑛子氏を今回はご紹介します。

一見、木で作られたとは思えないほど妖艶な作品の数々。写真だけでは伝えきれないほど、実物は圧倒的“美”を放っています。

薔薇のようにも見える 作品題「英」
栃の木目を生かしつつ黒漆を塗り重ね、アーティスティックな魅力を放つ作品

ーこの道へ進むことになったきっかけ

田中氏は、学生時代に出会った漆芸に魅力を感じ、漆芸家の道へ。その中で、形から自分の世界観を表現したいと木地師の技術も学ぶように。今では、木目一つ一つの個性を活かし、引き出す技術で唯一無二の繊細な作品を生み出しています。

田中 瑛子さん

「漆器は特に海外の方にインパクトと日本らしい世界観を感じさせるもの。日本だけに留まらず世界中に木と漆の魅力を発信できたら」と語る田中氏。2012年に独立後、市内で作品作りをしつつも、東京やNY、そしてアジアからヨーロッパ各地で展示会の開催や技術指導など活動の場を広げています。

漆芸家であり木地師でもある田中さん

ー全てがアートなギャラリーサロン

そんな田中氏が昨年オープンさせたのが、個人ギャラリーサロン「漏刻」。最古の時計、水時計を意味する漏刻という店名には、ゆったりと流れる時間を過ごしてほしいという思いが込められており、約100年の歴史ある大きな屋敷の至る所に飾られた漆器のオブジェやうつわは、どこをとっても絵になる癒やしのアート空間が広がっていました。

床の間に飾られている作品だけでなく、座卓も作品のひとつ

生地の中でも色が生きやすいという栃の木に、赤や黒の色味を塗り重ねることに惹かれるという田中氏。木目を生かした二面性のある作品は、オリジナリティ溢れる幻想的なもの。田中氏の女性らしい優美なフォルムに映える発色の作品たちは、山中漆器の歴史や技法を尊重しつつも独自の現代アートを確立させているように感じます。

ライトアップされた光と影までアート

これらの作品はこちらのサロンでも購入できますが、田中氏のご主人が大聖寺でオーナーを務めるギャラリー「FUZON」やオンラインショップでも購入可能とのこと。コロナの影響で海外での活動がしにくい昨今ではありますが、今後はオンラインでの技術指導のほか、自由な発想を活かせる美術品において、技法、使い方、アートに拘った作品にもチャレンジしていきたいと語って下さいました。

田中氏からお写真をご提供いただきました

加賀商工会議所のマスコットキャラクター商子ちゃんが伝える、

「PLUS ONE!」情報のコーナーです☆

お料理が映える漆器にうっとりです。

田中氏のご自宅ではお客様のおもてなしの時はもちろん、 普段の食卓でも昔ご自身で作られた漆器などにお味噌汁をよそったりして使っているそうですよ。

ー取材メモー

店名/Gallery Salon 漏刻

※住所非公開、アポイント制につき、電話またはメールにて事前に要問合せ

Mail/info@fuzon.jp

Instagram/Eikotanaka_akatoki

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