職人のまち加賀

スポット/様々な山中漆器を堪能!「山中うるし座」にフォーカス!

全国に漆器の産地は数あれど、生産額でこれまで日本一を誇ってきた山中漆器。

そんな山中漆器を見て、触れて、購入したい!と思ったら、まず一番におすすめしたいのが「山中うるし座」。別名「山中漆器伝統産業会館」です。

ー山中漆器の種類は大きく2つ


山中漆器には、加工した天然木に漆を塗って仕上げる伝統的な「木製漆器」と、プラスチック素地にウレタン塗装をした「近代漆器」があります。

山中の木製漆器は、石川県の無形文化財「木地挽物技術」や華やかな「蒔絵」の技術で知られ、職人たちによる繊細で高度な技術が伝承されています。

特に、「木地挽物技術」は「薄挽き」や「加飾挽き」で日本唯一の技術を誇っています。
一方、近代漆器は、木だけでは表現できない色彩や形状が魅力で、自由度が高いのでインテリア空間などにも活かされています。また、耐久性や手入れの容易さにも優れているため、子ども向けの器や学校給食用の器、お弁当箱などでも使用されています。

ちょうど、うるし座の入口に分かりやすい山中漆器の「木製漆器」と「近代漆器」の分類紹介看板があったのでパチリ。

うるし座の入口にあった山中漆器の分類図。
木製漆器と近代漆器の大きく2つに分かれていることが分かります

ー店内に広がる漆器の世界

店内には、山中漆器連合協同組合に加盟する企業や作家を中心に山中漆器がズラリと並んでいます。

椀物から丸い皿、箸、棗、インテリアに至るまで、目移りするほどの品揃えです。

店内の様子

店内を進むと「木工芸」 の人間国宝(重要無形文化財保持者)  川北 良造 氏の作品展示も。

川北氏の作品たち
木地挽きの見学エリアもあります(コロナの状況によっては中止の場合もあります)

ーなぜ木製の自転車があるのか?

ふと、店内の片隅に存在感を放つ自転車が…!

実は全国でも有数のバイク、自動車、機械などのリムやチェーンの部品製造の拠点地となっている加賀市。

そのきっかけとなったのは、1864年に山中で漆器木地を挽く職人の家に生まれた新家 熊吉さんという1人の漆器職人の力によるものでした。

当時、漆器を輸出するために海外の旅先で見た木製車輪(リム)の自転車に興味を持った熊吉さんは、ここ加賀市で山中漆器のロクロ技術を活かした木製リムの製造会社「新家商会」をつくったのでした。

その会社が発展・変遷を経て、今加賀市で有名な大企業である大同工業㈱に繋がっていくのです。

山中漆器のロクロ技術は本当に奥深いです!

木製リムの自転車

ー11/10が「漆のお椀でごはんをいただく記念日」に制定!

このうるし座を管理する山中漆器連合協同組合の竹中理事長によると、 日本漆器協同組合連合会により今年初めて11月10日「漆のお椀でごはんをいただく記念日」として制定されたそうです。詳しくはコチラからどうぞ。

画像はイメージです

漆塗りの木製のお椀でご飯をいただこうというこのプロジェクトは、新鮮な野菜と少しのタンパク質で健康に良い和食文化を漆器から再発信しようとするもの。

伝統的な和食ではかつて、木製のお膳とお椀で一汁一菜や一汁三菜の食事が普通だったことに着目し、この和食文化を次世代にきちんとした形で伝えるべく企画されたプロジェクトは今後、全国各地で様々な啓蒙企画が実施される予定だそうです。

ここ山中温泉でも、山中漆器連合協同組合主催でここ山中うるし座に隣接する「舞楽夢(ぷらむ)」にて11/9(火)に漆のお椀で一汁三菜の和食をいただく食談会が企画されているとのこと。

またその模様は「職人のまち加賀」のInstagramにてご紹介しますね♪

11/10の記念日に向けて、店内奥にはさっそく飯碗のコーナーができていました!

木製の飯碗のコーナー
オシャレな形の飯碗もあって、見どころ満載

売れ筋飯碗を店員さんにお聞きすると、以下の写真にある飯碗と汁椀のセットが人気だそう。

人気筋の飯碗と汁椀のセット。左が飯碗。丸みのある右は汁椀

地元のお店や旅館で木製漆器を使った食事を提供しているところはありますか?と伺うと、表面の加飾挽きが美しい こちらの漆器を見せて下さいました。この線の凸凹によりご飯がくっつきにくく、ふんわりよそうことができるそう。

こちらを山中温泉の5つ星温泉旅館 花紫が朝食用の飯碗としてご使用されているそうです。

山中温泉にある有名旅館「花紫」の朝食でも使用されているという飯碗
写真提供/花紫
写真提供/花紫

ー木製の飯碗の良さ

現代では陶器のものを飯碗として使うことが多いですが、このコロナ禍でおうちじかんが増えた今、自宅で丁寧な時間や食事を楽しむ方が増えたことにより、木製の飯碗の良さが再注目されています。

まず、”軽い”!

最近では特に年配の方が重くない飯碗を探していることが多いそうで、軽い漆器を選んでいく方が増えてきたといいます。

そして、”熱が伝わりにくい”!

熱々のご飯を入れても熱が伝わりにくいので、お子さんや年配の方も持ちやすいのです。

そしてなんといっても、”手触りが良い”!

温かみのある木製の漆器は手触りがよく、小学校給食の器に木製の飯碗を採用したある地域では 、食事の際の子どもの姿勢が良くなったというデータが報告されるほど。

店員さんに伺うと、意外と手入れも簡単なんだとか。

漆器を使ったあと、水につけっぱなしにしないようにだけ気をつければ、食器用洗剤で優しく洗って、乾かすのみ。

気になる場合はサッと水滴を拭くと更に良い。むしろ、磨くように拭けばふくほど風合いが良くなり長持ちするんだとか。

丁寧な食事を楽しむ文化を今一度体験するために、これを機に気軽に飯碗を木製漆器に替えてみるのもいいかもしれませんね。

加賀商工会議所のマスコットキャラクター商子ちゃんが伝える、

「PLUS ONE!」情報のコーナーです☆

うるし座さんの片隅で見つけた「うるし板皿」に一目惚れしました!

特に写真右はなんと木の皮を漆で加工したもの。和菓子をのせてもいいし、料理の前菜と合わせてもいいな~と見ていたら、店員さんに「先日、飲食店の方でパスタ皿としてこのうるし板皿を使いたい」とたくさん購入されていかれた方がいらっしゃいましたよ~と教えてくれました。

なるほど!と、後押しされて私も購入させてもらいました♪

ー取材メモー

山中うるし座 (山中漆器伝統産業会館)

住所 石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2

TEL 0761-78-0305

営業時間 9:00~17:30

定休/無休(年末年始 12月30日~1月3日の間はお休みです)

山中うるし座★☆HPはコチラ☆★

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